メトロイーサネットとは
メトロイーサネットとは
メトロイーサネットとは、MAN(メトロポリタンエリアネットワーク)を介してポイントツーポイントまたはマルチ ポイント接続サービスを提供するイーサネット伝送ネットワークです(図 1 を参照)。LAN技術に由来するイーサネットは、低速のWANに代わる技術となりました。
企業、一般家庭、モバイルの加入者は、費用対効果、柔軟性、シンプルさの観点からサービスプロバイダのイーサネットサービスを選択しています。サービスプロバイダは以下の目的でメトロイーサネットを使用します。
- オフィスやデータセンターの相互接続2拠点~数百拠点間の接続が可能
- 一般家庭の加入者や企業のインターネットへの接続
- パブリッククラウドやプライベートクラウドのデータセンターへの接続
- 大規模なモバイルバックホールサービスの提供
- 企業の顧客がビデオ会議向けに使用するマルチキャスト配信、およびIPTV、動画アプリケーション向けに一般家庭の加入者が使用するマルチキャスト配信を提供
メトロイーサネットのメリット
メトロイーサネットは以下のメリットをもたらします。
スマートなリスク管理
複数のネットワーク機能を単一シャーシ上で統合することによって、すべての機能が独立して動作し、運用、機能、管理の分離によるメリットを享受できます。ブロードバンドネットワークゲートウェイ(BNG)のような物理システムをパーティション化して複数の独立した論理インスタンスにすると、障害は確実に分離されます。パーティションはコントロールプレーンや転送プレーンを共有せず、共有するのはシャーシ、スペース、電力のみです。したがって、1個のパーティションで障害が発生してもサービス停止にまでは被害が拡大しません。
- 柔軟性 - さまざまなサービスと伝送をサポートします。
- 信頼性 - イーサネットOAM(運用、管理、保守)により、パスの検出、接続障害の検知およびレポート、パフォーマンスの測定が実施されます。
- 費用対効果/使いやすさ - ネットワークがWANネットワークに比べてシンプルかつ保守が容易で、機器コストと所有コストを削減できます。
- サービス品質(QoS) - 次のようなQoS機能をサポートします。分類、マーキング、ポリシング、キューイング、スケジューリング。
- 拡張性 - 1 Mbps~10 Gbpsの通信速度をサポートします。顧客は帯域幅を動的に増やすことができ、多くの場合、新たな機器を購入したり設置したりする必要はありません。
ジュニパーネットワークスメトロイーサネットソリューション
ゼロタッチ導入をサポートしているジュニパーネットワークスメトロイーサネットソリューションは、MEF CE 2.0認証を受けています。このため、以下の特長があります。
- 時間の短縮とテストに要するコストを削減
- サービスの展開を迅速化
- キャリア間の接続を簡素化
表1は、ジュニパーネットワークスメトロイーサネットソリューションの特長とメリットを一覧にしたものです。
特長 |
メリット |
シームレスなMPLSを介したメトロイーサネット |
コアからアクセスセグメントにいたるまで、MPLSネットワーク経由でイーサネットサービスを実施できます。サービスの柔軟性とMANの拡張性を実現し、ネットワーク上のあらゆるポイントでメトロイーサネットサービスを終結させることができます。 |
光伝送ネットワークを介したメトロイーサネット |
ジュニパーネットワークスは、同じプラットフォームから光(DWDM)サービスを展開するための、固定型(組み込み)またはモジュール型(ラインカード)オプションが含まれる単一のプラットフォームソリューション、およびパケットベースのソリューションを数多く提供しています。これによりネットワーク要素間の長距離トランスポートや光ネットワークへのトラフィックハンドオフ(光レイヤーで再構成可能な光挿入分岐多重化装置(ROADM)など)が可能になります。 |
ACXシリーズユニバーサルアクセスルーター |
コンパクトで電力効率に優れ、MEF CE 2.0認定取得済みのキャリアイーサネットアクセスルーターとアグリゲーションルーターが、レイヤー2、レイヤー3とMPLSの豊富な機能、プログラマビリティ、イーサネットOAMサポートを提供します。 |
MXシリーズユニバーサル3Dルーター |
こうしたルーターは、単一のプラットフォームでハイパフォーマンスな統合型の一般家庭向け、モバイル向け、メトロイーサネット向けサービスを提供します。 |
クラウドエクスチェンジネットワーク
クラウドエクスチェンジネットワーク(図3を参照)では、イーサネットリソースを複数の顧客と共有して拡大することができます。各顧客にではなく、必要に応じて動的に帯域幅を割り当てることができるため、ネットワークの使用率を最大化してインフラストラクチャのコストを削減することができます。
さらに、ユーザーとサービス間の直接ピアリングを可能にするIX(Internet Exchange)ポイントを作成し、カスタマーエクスペリエンスを向上させることができます。